生きているだけで愛 多少ネタバレがあると思うよ
共感をするところは少ないけど、観て良かったと思ったよ
あらすじ
過眠症で躁鬱を繰り返し感情のコントロールが上手く出来ない引きこもりの寧子、その恋人である津奈木の部屋に転がり込んでいる。まあ転がり込むだけなら良いけど、感情のコントロールは出来ないし過眠症なんで、ただただ布団に包まって、起きたら津奈木に感情をぶちまけるっていう厄介なメンヘラ女、ある時津奈木の元カノ安藤っていう女が訪ねてきて、津奈木とヨリを戻したいから別れてって言ってくる、そこからどうなるかって言う話
いやー主人公の寧子、躁鬱で過眠症なので仕方ないのかもしれないけど、本当に性格が悪い(笑)
起こせば津奈木に文句を言い、コーラーの蓋を固く締め過ぎたら開かないと文句を言い、外が寒いのに、なんでプレゼントした手袋をしないとの?文句を言ったら部屋の中で手袋をしろと命令し、その通り手袋を付けたら、また文句を言う、それでゴメンと謝ったら、なんで謝るの?って怒る・・・
そして最後に言うことは今は鬱だから仕方ないんだと言い訳
いやいや、ふざけんなよ、いくら鬱だと言っても僕だったら我慢できないしめっちゃムカつくと思う
だから最初の方は、彼氏の津奈木がなんで、寧子と一緒に住んでいるのか全く理解できなかったし共感できるところが全くなかった
ただ、話が進むと共感はできないけど、徐々に寧子の事が分かってくるんだよね
寧子は過眠症で起きれないから仕事どころか面接すらもすっぽかしてしまうのよ、だから自己嫌悪に陥ったりする
で、たまにはね、津奈木に料理でもしてあげようという可愛いところもあって、ラインで「何食べたい」って聞くわけですよ
津奈木は「ハンバーグと卵焼き」と返信して、寧子は津奈木の希望通りの料理を作ろうと買い物に行くんだけど、コミュ障だから材料すら買うのもままならない、そしてなんとか材料を買って帰宅したら買い忘れていたりする、それでも頑張って料理しようとしたらブレーカーが落ちて料理すら作れない・・・
そうなると、自分にはこんな簡単なことすらも出来ないんだ、情けないと思ったんでしょう
ここで狂ったように号泣する
僕は寧子ほど心を病んだこともないので、気持ちが全部わかるわけではない、でも、したいのに出来ないっていうジレンマと自己嫌悪に陥るっていうのは、それはよく分かる
だから、全て共感できるわけではないけど、徐々に寧子が単に嫌なやつではなくて、やりたくても出来ないっていう辛さを津奈木にぶつけているんだな、自分にムカついているんだな、自身が持てないんだな、それが分かってくるの
なんで、最初は全く共感できなかったんだけど、徐々に寧子という人間を少しずつ受け入れる事ができて物語に入り込んでいく
そして寧子だけでなく津奈木もそう
最初は単に気が弱くて、寧子の言いなりになっているだけに見えたんだけど、観ていくとそうじゃなかった
津奈木自身も仕事に対して色々な葛藤や不満を抱えていてね、津奈木も自分に自信を持てていないし、仕事でうまく出来ない自分にたいしてイライラしていたんだろうと
だから、寧子のことをほっとけなかったし、一緒にいることが津奈木にとっては良かったのかもしれない
ここは完全に僕自身の解釈だけど
でね、話が進んでいき途中で津奈木の元カノ、安藤が現れる
その子もなかなかでね(笑)
もう完全にストーカで、いきなり津奈木の家に押しかけて寧子に
「あんたに津奈木は勿体ない、私のほうがふさわしい。だから津奈木と別れなさい、そして津奈木の家から出ていきなさい」
みたいなことを言うわけ、そんで
「もし、このことを津奈木に言ってみなさい、あなたが一番困る方法で死んでやるから」
と安藤が言うんだけど
寧子は「私よりヤバくないですか?」みたいなこと言うの
ここは正直クスッと笑えたね、なんか気の重い話だけど少しだけこういう笑いがあるのは良かったと思う
ただ寧子は私は働いてないしお金持っていないから無理ですと言ったら安藤、バイト先を紹介して、ここで働いてお金を貯めて出ていきなさいと結果的に寧子の自立を助けていく
で、ここから上手くいきそうになって喜んだり、また落ち込んだりと、色々あるんだけど、そこは実際に見て欲しい、そして最後の心に響く寧子の最後の言葉を聞いて欲しい
僕はここで分かるわー、たしかにそうだわーって思ったからね
正直、僕はこの映画に期待していなかった、というかそもそも僕は、アクション映画やエログロ系映画、あとバカ映画好きなオッサン
だからヒューマン系の映画に苦手なのよ。
でもこの映画は観て良かったと心から思えたね
たまには毛嫌いせずヒューマン・ドラマを観るのも良いかなと
では点数
点数 85点